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ウバタマムシ

夜の雪の上をさくさく歩いて

家から5分の森の中


僕は古河昆虫の会の会長になったよ

これでとちぎ昆虫愛好会の会長とも肩を並べたことになるし

茨城の大御所たちとも対等に渡り合える

発想は逆転していけば良い事だらけだ



まずは郵便局行って古河昆虫の会を設立した届出を手続きする


たぶん国会に届け出を送っておけば大丈夫だろう
総理大臣宛にしておけばいいし

許認可制とは聞いてないから届け出制だろう


それから警察にも届け出出さなきゃ
夜中に自販機の前に立ってるからね

あとは保健所かな
害虫駆除は保健所も担当だもんね

それから農政関係も
害虫扱いされてる子もいるし



あとはどこに届け出だせばいいんだろ


後で無効とか言われても困るからね


そうだ、会費を集めなきゃならないから銀行いこっと
そんでもって茨城の老人達を勧誘しなくちゃいけないから

NTT行って電話権買って

あちこちにオレだよオレって電話しなきゃ


設立趣意書とか必要なのかしら
発起人集会とか必要なのかしら
所信表明とかしておいたほうがいいのかしら

ちょっと練習しとかなきゃダメかな


どうせ夜の雪に閉ざされた森の中なんて誰もいないもの

誰も見てないから恥ずかしくもない
ちゃんと練習しておこう


えー、わたくし、鈴木雷太は、晴れてこの古河の大地に昆虫の会を設立するに至りまして、
県西のファウナを中心とした活動を通し、青少年の非行、中高年の性犯罪を防ぎ、
地域の住民とともに手を携えて昆虫採集により治安の維持に邁進したいと思います。
また、学力向上、地域経済の活性化、憲法9条の改正を達成するために、網を振って参ります。



なんどもなんども繰り返し練習していたら森の奥から声が聞こえてきた

がんばれーがんばれーって


聞かれちゃったと思って歩いて行ったら木の凹みに隠れている子がいた

越冬するんだね
知らなかったよ
そしてとても嬉しい


ウバタマムシ_c0200575_2132306.jpg



たぶん虫屋さんたちには常識で

図鑑を読めば当たり前の事なんだろうけど

僕にはとても新鮮だよ


図鑑を読んでないから僕が見つけた新発見になるんだ
他の人の当たり前でも僕の新発見なんだ


あたまでっかちにならないように
自分の足で歩いて自分の目で見つめよう
# by JAPANFOREST | 2013-01-15 21:32 | その他・・・虫

なんだかわからんフユシャク

これは茨城県で実際に起きたある出来事をドキュメンタリータッチでお送りする物語である。

ドキュメンタリーとは言ったものの意味なんだろうと思って広辞苑したところ
実際の出来事に虚構を加えずに構成された文、映像などとなっており

そら無理だ。
フィクション昆虫作家の私がある日突然ノンフィクションなんて無理


そんな訳でこれはある日茨城県で起きたある出来事のドキュメンタリーのフィクションである。




ある日博物館の先生が飯食いながら言うのです。

フユシャクのメス見てみたいなー、えへっ。って。


っで、そんなのお安い御用じゃん。俺、あんたに見せてやんよ!って。



その結果迎えたのがフユシャクメス探し合同調査。


昆虫界のザ・ガチャピンと呼ばれるこの私。

異常なほどの採集能力の高さを過信して、なんとかなるっぺ。っと。

若干茨城訛りで軽く考えておりました。


何と言ってもトチコンで数々の採集を叩きこまれているわけですから。

フユシャクなんて楽勝ミッションです。

っで、トチコンに叩き込まれた遠い記憶を呼び覚ましました。

俺、フユシャクのメス見つけた事ねーや。


気がついた瞬間にミッション丸投げです。

茨城蛾類部隊の精鋭達にフユシャク採集付き合ってよとお願いし。

人海戦術を取ることに。


まずは筑波山で夜の蛾を捕まえてばかりで夜の蝶に見向きもしない蛾屋。

次に土浦の溜池に必死で水を貯め込む蛾屋。


声を掛けて更にセーフティーネットを張り巡らせる


フユシャクのメスを見つけられなかった時に備え


ツクバクロオサムシの崖掘り採集してみましょうかと。


ツクバクロオサムシが採れれば

これツクバの特産種なんですよー。とか合ってるんだか合ってないんだかよくわからない。
そんな押しの一手で今日は大成功でしたねと言いきれる。

エサキとツクバの見分け方を鼻高々に講釈なんか垂れてみれば
もうすっかりフユシャクの事なんて忘れられます。


そんな訳で待ち合わせ場所に辿りつきますと。

博物館の先生と溜池の蛾屋さん。

そして博物館のジュニア学芸員を務めていらっしゃる青年の3人が既に待機。


まずは合流して4人で崖探し。

サクサクと軽くレクチャーをして


なんだかわからんフユシャク_c0200575_2281298.jpg



あっさり博物館の先生がツクバクロを掘りだし。


これでまずは今日のテーマにしたフユシャクメスとツクバクロの内、50%の任務達成。


これによってフユシャクが採れなくても惨敗は逃れられる。
私は本当に頭が良くて策士だ。



場所移動して小田山の林道で再度オサムシ掘り

最初は真面目に掘ってたけどだんだん飽きてきて
他の自然観察したり写真撮ったり

博物館の先生とジュニア学芸員は真面目に調査


掘る崖も無くなって来てとりあえず山頂行ってみるかと


宝篋山制覇

っで、記念撮影


なんだかわからんフユシャク_c0200575_2284131.jpg



私ひとりではいつも通りグダグダ採集になりそうだったのですが
溜池蛾屋が参戦してくださったいおかげで比較的本格的採集になるという

都合のよい展開

それから移動してふれあいの里に到着



食事などの準備を終え、筑波山の蛾屋さんと合流し

総勢5名でフユシャクメス探し開始


ですが筑波山の蛾屋さんと溜池の蛾屋さんは灯火セットも張り出す始末


うっかり画像でも載せようものなら

茨城の蛾屋って真冬でも筑波山で灯火やってるらしいぜ
スキルたっけー

みたいな誤解が生じてしまいますので
紆余曲折を経て何が悲しいのか真冬に灯火を立てるに至った事情は割愛致します。


っで、糖蜜も仕掛けますが寒いので放置


ひたすら歩いてフユシャクのメス探し


てかフユシャクのメスなんてフチグロしか見た事ないし

でもこのミッションをクリアしないと将来のカバシタムクゲの採集に辿りつけません。


将来へのトレーニングを兼ねて必死で探しまわります。

図鑑で知ってる知識は食草がサクラ、コナラ、クヌギ


なのでその木を中心に見ます。

次にフユシャクのオスが地上から1-2mを飛ぶ事が多いので
その辺りに視線を置きます。


あとは今までの採集スキルで視点をフユシャクのメスにおいて必死


もう無理かな
諦めようかなと思った瞬間


なんだかわからんフユシャク_c0200575_2292891.jpg



オスが3匹ヒラヒラしてる地点に遭遇


ひょっとしてと思い、周囲を探すが何も見つからず

オスが飛んで行った方向を追いかけていきますと


後ろから声がします

なんとジュニア学芸員がメス発見


つか、フチグロと形全然違うじゃん

仕方がないのでジュニア学芸員が見つけたメスでもう一回視点をおきなおすと


おやおや、見えてくる見えてくる

なんだかわからんフユシャク_c0200575_2295730.jpg



立て続けに2匹ほどメス発見

見つけ方もわかったし


交尾中のフユシャクを見てみたい


要はメスが止まっている高さでオスが止まっていれば

羽の下にメスが隠れて交尾してる可能性あり


今まであっさりオスを遠目に見てスル―してきましたが

これからは近寄って観察も大事


という訳でその後の時間を必死に交尾探しに当てましたが発見できず

ジュニア学芸員も御帰宅のお時間ですので解散

蛾類部隊は報告会の相談とシャリバテ解消のためいきつけのラーメン屋へ


飯食って報告会の打ち合わせして
軽い情報交換して

どうも茨城には虫の団体が3つあるみたい
主要なのだけで

数人お知り合いのいる水戸昆虫研究会・・・るりぼし

トチコンのインセクトにも素晴らしい寄稿をしてくださる方が在籍するつくば昆虫談話会・・・おとしぶみ

そんでもって良く分からないのが茨城昆虫同好会・・・おけら


っで、他にも噂に聞いていてるけどどういう団体かわからないのが
茨城生物の会

さらに昔どこかに蝶の会ってのがあるって聞いた事あるし
玉造のクワガタ保存会もまだあるんだかないんだか

あぁ小美玉生物の会とかゆーのもあるって筑波山で夜中に会った人に聞いてるし

思えば茨城の虫だか茨城の昆虫だかゆーポケットブックを発刊したのが、
茨城虫の会とかゆー団体だったし

凄いな虫関係だけでもめちゃくちゃ乱立してるんだな

茨城の歴史とか人間関係がよくわかならいや


栃木だと愛好会の歴史の整理が結構進んでおりまして
貴重な設立当初の動き、県内他団体との合流、消長などが克明に記録されておりますので

すっきり整理整頓されておりまして

博物館も大学も愛好会も全て宇都宮に所在しておりますので
有機的な連携が取れる体制



まぁ他団体さんの事ですので私が口出しするような立場でもございませんし
こそこそ動こうにも茨城に人脈を持ち合わせていないので傍観するしかないのですが

団体さんはいくつあっても良いとは思うんです。

趣味の団体でみんなで楽しければそれでいいと思います


ただファウナをやっている立場で言わせてもらうと

そろそろ茨城の昆虫Ⅱみたいなのが欲しい



そろそろ連帯的な活動を始められないものかしら


誰か意欲を持って取り組んでくれる若い人いないだろうか

私トチコンの人間だから余計な行動はできないの
育ててくれたトチコンへの恩義があるからうかつに他県に移籍もできないの

ってゆーか、お金がないから他の団体の会費払う気ないの



栃木は70年掛けて県内各地の愛好団体が合流していって
現在のとちぎ昆虫愛好会に至ったわけで

茨城もいずれはそうなるのかも知れないし

時間が解決する問題なのかも知れないし

ならないのかも知れないし


それならそれで



古河昆虫の会を設立する

会長に治まる



こうすれば会費も払わずに茨城の虫事情に口出しできるではないか
乱立大歓迎じゃないか
吸収されないで独立独歩で頑張ってやる
他団体なんて知ったこっちゃないね



こんな事書いていて結構お怒りの関係者もいらっしゃるかと思いますが

まぁドキュメンタリーのフィクションですからね。
間に受けないで許してください


そもそも

私今悲しんでるんです。一昨日からずっと。

お会いしたかった方にもうお会いできない。
そーゆー時が来るのは僕たちが生物である定めではございますが

僕がやりたかった事を先にやりきってしまわれた方



僕がモタモタしてしまいお会いすることは叶いませんでしたが
小さい町でしたのでどこかの河川敷ですれちがっていたかも知れません。

僕ですら怒りを持って逃げ出したあの茨城の乱開発の真っただ中で
同じ失われていく空間を同じ時間に見つめて
真正面から記録を残され続けた方

たくさんのお疲れ様
たくさんのありがとう
本当のありがとう

今はごゆっくりお休みください
# by JAPANFOREST | 2013-01-12 23:54 | 雑記

イチモジフユナミシャク

僕は死ぬんだと思っていたんだけど

まだ死なないで良かったみたい

とりあえずまだ生きている


お医者様に貰う薬が効いている気はしないんだけど

効果ないって言うと悲しい困った顔するから

僕はいつも元気にお医者様にお薬が効いて体調が楽ですって答えているよ


少し歩き回れるくらいにまでは回復してるし
たぶん大丈夫なんだと思う

せっかく歩けるようになったんだし


大好きな小川を歩いてみよう

茨城県はけっこう大小様々な川が流れてる


僕は小さな低山の湧水から始まってたんぼとかに流れていって

名前もつかないうちに消えてしまう川が好き


低山の中で小川を中心とした湿地があると

ニンゲンがすぐにたんぼに変えてしまったり

どっからか土を持ってきて杉を植えやがる


気がつくとどんどん消えていくんだけど

ニンゲンは今不景気とかで山を壊すのを止めて

束の間の平穏が山に訪れている


イチモジフユナミシャク_c0200575_14442911.jpg



ずぼずぼ湿地を歩いて小川に向かう

茨城にだってこれくらいの川はあるんだ


小川のほとりにはクロウメモドキも生えている


イチモジフユナミシャク_c0200575_14453939.jpg




きっとここにいるんだ


いつかここで出会えるんだ

だって僕がここを好きなんだもん


だんだん日が暮れて

僕は茨城の小さな川で小さな沢下りを楽しんで



イチモジフユナミシャク_c0200575_14462070.jpg



小川がおかしな固い石で四方八方固められた四角い川にドボドボと注いで終点

ほんのちょっとの楽しい時間が終わって

日も暮れかけたし

トラフグさんたちに会いに行って
会えなかったけど


近くの池に寄って

流星群もみたいし

池を一周歩いていたら

フユシャクが木に止まってた


イチモジフユナミシャク_c0200575_14432775.jpg



きちんと歩いたから会えたんだ

体も良くなってきたってお医者様に嘘ついちゃったし

お医者様を悲しませたくないから元気なふりしてまたいっぱい歩いてみようか
# by JAPANFOREST | 2013-01-04 14:46 |

茨城VS栃木 八溝山頂決戦

茨城と栃木は仲が悪い
茨城は海を自慢し、栃木は山を自慢する

宇都宮氏と結城氏が北関東の覇を競い合ってた頃からだから根が深い


県民がこんな有り様だから虫屋の争いごとなんて日常茶飯事


なんてことはなく、栃木の将来を俯瞰した行政が八溝の栃木側に杉山を作り上げたため

栃木の虫屋は八溝に寄り付くことなく、共存する時代を過ごしていた

まったくもって先見の明を持つ栃木の林業関係者に遺憾の意を表明する



時が移り現代

栃木はあちこちの調査をしまくり

残すは八溝山系のみとなった

しかし山頂は茨城が長年領有を主張していた場所

それ以外は杉山


下の方にちょっと面白い樹相が残ってはいるんですけど


でも、栃木も山頂が欲しい


そして本日トチコンの数人が八溝山頂に侵攻を開始した


茨城側はゆるゆると続く長年の平和に平和ボケしてしまい

栃木が八溝に侵攻してくるなど夢にも思わず


必死に憲法9条があるから大丈夫だといつまでもぬるま湯に浸る



風雲急を告げて至急迎撃態勢を整えた茨城蛾類部隊
精鋭3名

筑波山に籠りっぱなしで登山灯火採集を続ける蛾屋

土浦の溜池でトンボから池を守り続ける蛾屋

そして猫と蛾の争奪戦を繰り広げている私

の3人


なぜか応援をルリボシやオトシブミに頼らず東京に依頼


侵攻してきたとちこん側は

甲虫全般を調査しているカミキリ屋のエリートじゃないほう

蝶屋さんなのに蝶を採ってるとこを誰も見た事がない蝶屋

トチコン全員が愛でる謎の女性

の3人


で、決戦会場をきちんと教えなかったせいなのか

全員迷子




そしてついに夜の帳が降りる頃


八溝の山頂で山頂争奪戦が始まった


ルールは簡単


トチコン3人対茨城蛾類部隊3人

審判は東京のファウナ屋

3対3の団体戦で、各県のレッドデータリスト種を多く捕まえた方が勝ち

暗闇の中灯火が灯り、決戦の火蓋が切って落とされる


茨城VS栃木 八溝山頂決戦_c0200575_20133374.jpg



切って落とされた直後誰かがガイガーカウンターで周囲を測定し始める

見る見るうちに上がっていくカウンター


見たこともない数値を叩き出す


桁が一ケタ違うんじゃないかと

またことガイガーが誤作動してやがるなと

何度も何度も測定した結果


八溝終了


それを見て茨城県南の汚染地帯に住んでる蛾屋が急遽帰宅


どうやら県南より圧倒的に高い数値だった模様


人体に影響が出るだろコレと


最終的にカウンターがここで昔核戦争が起きたんじゃないのかと

それぐらい高い数値で落ち着いてしまい


栃木勢は戦いどころか八溝イラネって雰囲気になる

次は白根山山頂を群馬勢から奪い取ろうとか方針転換始めてるし


八溝山頂は福島県に差し上げましょう



皆さんは忘れているかも知れないが

震災以降、茨城最高峰でオネンネだあ
汚染地帯の栃木はしばらく行かねーぞぉ

とかいって何度もテントをここで立てていた私

ゴロゴロ転がって空を眺めていた私


私の体どうなるんだろう?
ツノとか羽とか生えてきちゃうんだろうか?


私の胸の葛藤をいざ知らず

決戦は放射能により中止

だって市販のガイガーじゃ誤差デカイだろと

高性能ガイガーで測り直したらいきなり警告音発してるし


高性能ガイガーの持ち主が鳴ったの初めてとか言ってるし



トチコンが立てた灯火を仕舞い

茨城の蛍光灯をポツンとつけ

栃木勢緊急帰宅


駐車場まで見送りに行くとトチコンの幹事が私を呼び


貸し一個だからな、今度返して貰うぞ


っと恐ろしい言葉

私はこの後ミュータントとして生きていく人生

そんな意気消沈の真っ最中なのにそのうち借り返せとか

観察会の講師とかやらされるに決まってる
あとは採集会で日帰りしたくても宿泊メンツに入れられて宿泊費恐喝されたり
博物館で60年前の軟化展翅やらされたり


まぁ軟化展翅ならハサミでちょきんと切って
ボンドでカブラヤガの羽をマエアカスカシノメイガの胴体にくっつけたりして

新種を作ってミュータントにするからいいけど


さて、トチコンを見送り茨城勢の元に戻ると

手持ち無沙汰になった東京の虫屋がビール片手に寝転がってる


だからそこ猛烈汚染地帯だってば

放射能の怖さ知らないんでしょ

放射能浴びるとカブラヤガの羽がマエアカスカシノメイガに生えたりするんです。


でも既に被爆初体験を知らない内に済ませていた私

ま、いっかとビールを頂いて虫話開始


なんかいきなり東京の虫屋さんと虫屋のスタイルで意気投合

経験と知識を融合させて私がたどり着いた答えに既に辿り着いていたみたい

私と同じレベルの天才を目の前にする事があるとは

っと思っていたら

私より天才でした

多分この人たち異様に高い教養を受けてきた感じ



たまに白幕見に行ってクロメンガタとかカトカラを見て

ラジオでジャズを聞きながらビール飲んで

栃木県勢を神風のように撃退した放射能の神様に祝杯



やがて疲れ果ててそのまま野宿


いや、野宿は私もするけれども

ここトチコンが逃げ出すほどの汚染地帯


この背中にまとわりつくセシウムの一粒一粒が背中のコレステロールを解消し

素敵な放射線治療


それが目当ての天然放射線治療観光地とかで売り出そうか

とりあえず一晩ごろ寝したら肩のコリが取れた
# by japanforest | 2012-09-15 16:55 | 雑記

シロオビドクガ

真っ暗な森の中で何もかもに嫌気がさして


真っ赤なイスを出してぼんやり座ってた


時間が経てば経つほど空気は冷たくなってくる


今年も走り回って疲れちゃった


走ったぶんの結果なんてついてこないし
新しい発見も少なかった


ゴロンとしてゆっくりしたいな


森の隙間からお星様が見えて

お月様も見える


森の中は静まり返って
もうすぐやってくる冬の訪れを予感させる

採集旅行も何回かやったんだけど


僕の目の前にいた子たちはいつも気づくとボロボロ


なんとか僕が見たままの姿を残したいのに

色々試して
あまり良い方法が見つからなかった

残念だ


でもまあ森の中で誰にも邪魔されずに過ごす時間

僕はその時間を過ごせるだけで結構満足だ


お月様がやっとサヨナラする頃


僕はもぞもぞとイスから離れて光を灯した



ひらひらふわりと影がやってきて

草むらに落ちたから覗いてみた


ああ良かった

君か


僕も君も独りきりを好むんだね
シロオビドクガ_c0200575_21475172.jpg

# by japanforest | 2012-09-07 21:36 |