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キバラモクメキリガ

そりゃぁ僕だってたまには真面目に昆虫採集くらいするさ

糖蜜が入ったペットボトルをぶら下げて夕暮れの森をテクテク歩くさ

森に着いたらいつも通り木に糖蜜を吹きかけるんだ


まっすぐ糖蜜をかけて歩いて
道を間違えないようにまたまっすぐ戻ってくる

スタート地点に戻ったらまたゴールに向けてまっすぐ歩く


何往復したって何もいやしない
糖蜜のレシピが悪いのか時間が悪いのか場所が悪いのか気温なのか風なのか何なのか

皆目見当もつかずに困ったぞ


うーんとしゃがみこんで落ち葉をガサゴソしたってそうそう蛾なんて出てきやしない

困った困ったと呟いて見上げたコナラの木から樹液が流れている


そうそう、キリガの採集を命令された時に考えたんだっけ
冬に糖蜜を吸うのであれば、それは日常的な生態として存在している現象で、
かかるにこれはコナラなどの落葉樹の冬場の樹液に依存して存在するに違いない


どうも根っからの生態好きなのかも知れない

トラップよりも現実を見たい
生きている様を見たい
人工的な現象よりも自然の中で自然の現象を見たい


今日もやってまいりました

思いついたら体験してみようのコーナー


もう糖蜜なんて地面にほったらかし
懐中電灯で森を照らして樹液を流すコナラを探す

絶対いるんだ
彼らも必死に生きているんだ


でもあまりの寒さに僕はのけぞった後に樹液を写真に収めておうちに帰ることにした


ダラダラ豊富な樹液を見つけて写真をパチリ

手が震えてうまく映らない

もう一回パチリ
画像を見たらキバラモクメキリガが映ってた

キバラモクメキリガ_c0200575_22392271.jpg


Xylena formosa


いつの間にいたんだ
忍者のように現れた

もっときちんと撮ろうとしても手がプルプル

キバラ君も羽をプルプル

二人でプルプル合戦
まったく寒いのに現れやがって


写真を撮り終わってやぁやぁ、お久しぶりだね。
こんなとこにもいたんだ。
この前会ったのは街灯だったっけ?と会話して。

そういやここは未採集だっけと思い出して。
エイヤって返事する間もなくガラス瓶の中に入れちゃった



それにしても糖蜜が入ったペットボトルを僕はどこに置いてしまったのだろうか
by japanforest | 2011-02-02 21:36 |


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