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大平灯火採集会

まったくもってブログの更新が滞っております。
誰にも迷惑はかけておりませんが。

っで、昨日なんとか栃木県大平町にてですね

灯火採集会を実施しまして


皆さまご存知のように昨日は栃木県史上1006番目の記録的な大雨でございまして
2mm/hという集中豪雨の中での開催

翌朝大平町が渡良瀬まで流されてしまい
遊水地に併合されたのはまだ記憶に新しいです。

場所は大平のフォレストアドベンチャーというNPO団体が整備しているアスレっチック


の、横っちょの自然の森


雨天にも関わらず、蛾の採集にも関わらず、8人だったか9人だったかも参加してくださいました。


さっそくバーベキューを始める訳ですが


今回は蛾の指導者というか現役蛾戦士の落合先生にもお越しいただきまして


全員で蛾そっちのけで肉を食べた後

やっぱり蛾の採集です。


屋根の付きの小屋の中で水銀灯焚いていますと

何種類もの蛾がお越しくださいます。



日光の大自然の中での採集も楽しいのですが
最近開発に蹂躙された跡地での採集も楽しめるようになって参りました。


とちこんの名だたる方々と採集すると色々勉強になるわけです。

海外の不自由な中で採集経験なんかがあると色々な技をもっていらして
簡単な幕の設営方法とか入手できました。


業務多忙で準備時間が作れず、代わりに施設と灯火使用の交渉をしてくださった、
とちこんの幹事に御礼申し上げます
# by JAPANFOREST | 2013-05-12 23:19 | 雑記

蛾講座

栃木県で蛾屋育成講座をともいき会が主催で開催されまして
過去二年間の宇都宮調査の集大成として、2ヶ月連続で落合泉先生による講演です

一週間前の出来事なんですが。


本来であれば三万円くらいのチケットを購入して

ディナーを食べながら美空ひばりが前座を務めてから始まるべきですが

ともいき会の司令官が無料で開催してくださいました


講演が始まるのが午後一時からなので午前中は柳田でカバシタ探し



歩き回ってお腹壊してトイレに立てこもり講演会に遅刻


ところが遅刻した私のために講演会の開始を30分遅らせてくださるという

感激の配慮


私も大御所になったもんだ

と思ったりは本当はしておりません

こんな日にお腹壊して遅刻なんてダメな私だと

責任を取ってラバウルで玉砕したかったです


で、講演内容はカトカラの垂直分布やらレッドデータの選定裏話やら


他にも日光の蛾とか蛾の出現を統計解析した話やら


色々と講演して頂きまして


いやはや同じ虫屋として恰好いい


このような機会を与えて下さいました司令官と自身の経験を後進に惜しみなく語って下さった落合泉先生に

骨の髄まで感謝申し上げます


そしてインセクトに投稿しろと怒られました

いままでは博物館に寄贈しておけばOKと考えていまして

蛾屋歴の浅い私ですから


誤同定発表しても迷惑かけるし

採集地を発表すると人が集まる世界にいたので


てゆーかインセクト読んでなかったので


これからはきちんとしていこうと


さらには定点観察の重要性を強く勧められまして


こちらも田舎の集落に住んでおりますので

そろそろ近所で始めてみようかと


ご近所用の簡易灯火セット作ろう


で、講演会が終わってせっかくだし栃木県の蛾屋さんで採集会でもやろうと


となると落合泉先生の地元が良かろうと

で、地元で採集会やってあの人呼ばないとまた拗ねるなと

あの人来ればあの森使えるしと思っていたら


目の前ににあの人がいました

カミキリツートップの風来坊の方

蛾講座_c0200575_2351845.jpg


今日はクジラの化石で遊んでました

クジラの骨を嬉しそうに愛でています。


化石の世界は昆虫よりも人間優先の世界のようですね

やれやれな世界はどこにでもあるんですね


そんなこっちゃから神の手事件なんてのも生まれてきちゃう訳で

博物の世界はまぁなんでもそうなんでしょうけども


そろそろ人間信奉を止めて本当の学問へ進んでいってほしいものです。

誰にも判らないからってエライさんに媚びるのは単なる研究の責任放棄ですよっと



ちなみに本文と画像のお兄さんは何ら関係はございません。
迷惑がかかりませぬように。
# by japanforest | 2013-03-24 10:17 | 雑記

クヌギの木

フチグロトゲエダシャクを観察したり

カバシタムクゲエダシャクを探しまわったり

赤茶色でふるふる飛んでる子を必死で掬って

カバシタムクゲエダシャクじゃなくてカワゲラだったり


そんなこんなしてクロツバラ探し始めて

もうすっかり形も覚えたし

あちこちの河川敷や野原やたんぼのわきっちょをうろうろ歩いて


歩き疲れて街にいって買ったお団子を頬張って


お空を眺めていたら

遠くの方で昔良く見た形がぼんやりしていたから


腰をあげて歩いて見に行ってみた


クヌギの木_c0200575_22524227.jpg



へー。

まだ有るんだ


茨城のあちこちと歩いて

その土地の風習とか


色んな事を教えてもらって


僕の大好きな木


穴は沢山あいていて

夏になったら夜中に見に来てみよう


カトカラさんたちも来るかもしれない


根っこが丸く太くなっていて

ひこばえも生えていて

誰か僕の知らないお爺さんやお婆さんが毎年毎年手入れしてできた形なんだ


一本一本違う形で素敵な自然を作り出している
人為的な自然なんだけど

里山が自然だというならこれも自然だ

原生林だけが自然じゃない

突き詰めたら笹ぼうぼうの山がもっとも自然にちかくなってしまう



クヌギの木_c0200575_22541715.jpg



でも近くの森ではまた刃物の跡があった

やめてくれないかな

どうせ樹木を傷つけた写真をインターネットで自慢してるんだろう


そうしてひとしきり破壊しまくったら

飽きて消えていく人たち


昔必死で教養の無さを主張していた人がいて
今はすっかり釣りとか車とかを人に見せて喜んでいたり
ネットゲームの報告をしていたりしている

初めからするなよ

それを見たくだらない人たちが我先に木を壊す


趣味ですらないよ

興味が沸いたら他人への配慮も

自然への配慮もお構いなしだ


自分が目立てばいい

自分が称賛されればいい


それだけの満足感で僕を傷つける人たちがいる

会う事もないし


僕が侮蔑の眼差しで見ている事も知らない


素人の集団で行動して

土地の成り立ちにも風習にも慣習にも何も興味を示さず

ただ破壊しているだけ


どっかいけ
おろかものどもめ
# by JAPANFOREST | 2013-03-17 22:56 | 雑記

古河VS小美玉 昆虫対決

古河昆虫調査会

通称コガコン


設立から既に1ヶ月ほどの歴史があり
県内の昆虫団体としては最古参の1つである


会費は取らず、ブログを会誌とするインターネット時代の新しめのなんかデジタルなアレである


会員は茨城の県西部を中心に2600名ほどを擁し、全国的にも屈指の昆虫団体となっている


ただし、会合がミクシーとかフェイスブックの出会い系チャットルームで行われているため、会長以下、会員同士はお互いを知らず、会員自身自分が入会していることをあまり知らない


そのため街中のオシャレな喫茶店で会長の私も知らないうちに会員同士の婚活合コンが開かれていたりする。


そんなコガコン


本日は茨城デビューの日

茨城県では各昆虫団体の領袖クラスが年に一度一同に会し、見栄の張り合いをする行事が開かれている

あそこでこんな虫捕まえちゃったぜ、いいだろー的な会合である。
複数の団体が乱立している茨城ならではの会合だ


もちろん私も参加


だって一応コガコンの会長だもん。絶対。


うふふ



お前がそんなとこ行くなと。
言いたい気持ちはわかりますが。

招待状来ちゃったんだもん。

断ったら失礼


大人の常識です



そんな訳で大切なコガコンのお披露目式を無事に終えまして


帰ろうとしますと

背後よりにじりよる人影


振り返ると小美玉の団体の会長さん


さあ一緒に採集へ行きましょうと


意味がわかりません。
私はコガコンのデビューを終えて後は一年昆虫の事を忘れて良い年を送るつもりでいたのです。


要するに


コガコンがいきなり他流試合を申し込まれた訳です


しかも相手は師範代とかそーゆーレベルを一気に超えて


最初っから道場主


おいおい、待てよと

待ってくれと

なんでいきなりボスキャラと当たらなあかんのだ

知ってんだぞと

あんたのとこに生きのいい若手何人かいるだろ


その辺から勝負させてくれ


とは言ってもこっちもコガコンの会長

あからさまに逃げるわけには参りませんし


人格や人間性でヒケを取っても虫屋として負けるわけにはいかないのです



なんとかそう言って会長同士の対決はダメと逃げきろうと思いましたが


その若手を連れてきたと押し切られてしまい。


何故か真冬の湿地帯で昆虫勝負が始まりました。




決戦会場にふらりと現れた暗い影を持つ一人の青年



そして偵察に現れた水戸昆虫同好会と茨城虫の会の面々


さらに昆虫調査ならついていくと博物館の先生までやってきて


またもや風雲急を告げる私の人生



応援を頼んだいつもの蛾類部隊は予定あるのー。とか。
鳥がみたいのー。とか言ってあっさり断られ

私の人望の無さを痛感しながら対決の幕が切って落とされる


落とされると同時に水戸昆とか茨昆の人たちが寒いから帰る―。と言いだしまして。


いったいぜんたいストーリー上なんの意味があったのか判らない存在に。




帰った瞬間私の頭の中に閃きが


引き分け狙いでいいんじゃね?


負けたらコガコン解散させられちゃうし

勝てる訳ないし


だったらなんとしても引き分け


何と言っても、おあつらえ向きの天候


気温5度以下

暴風


そうそうこの条件で虫が採れるとは思わない



採れなきゃ引き分け

そんな事を考えていると


青年は突然行方をくらまして

早速虫探しを始めている様子


私は小美玉の会長さんとお話して時間が過ぎる


小美玉の作戦はこうだ

若手青年が虫を探す

会長は私に話しかける


なんという簡単で攻撃力の高い作戦なのか


私はおしゃべりに夢中で虫探しができない


しかもだ


アカガネオサムシ探しているのにオノとか忘れた


そうは言っても元は渡良瀬昆虫調査官であった私

湿地性の昆虫ならお手のもの


素手で必死の朽木割り


途中経過を青年に確認すると


アオクビゴミムシとマイマイカブリ見つけたと

その時点で私は黒っぽい小さいゴモクみたいなゴミムシ一匹

同定なんか無理


焦って水際の朽木を探すが

泥地に両足がはまってしまい、絶体絶命のピンチ


必死で泥から抜けだし戦意喪失


あとはどんどん落ちる太陽の力によって小美玉軍が寒さに根を上げるのを待つ

いわゆる北風大作戦



古河VS小美玉 昆虫対決_c0200575_19205184.jpg


しかし小美玉軍は一向に音をあげずにアオクビゴミムシの巣窟を見つけ出す始末



そろそろマズイと終了を宣言しまして


小美玉軍ゴミムシ多数

私よくわからないゴミムシ一匹


数では負けていますが

私が見つけたゴモクはひょっとしたら超大発見かも知れないと考え

湿地対決はひとまず引き分けとしました。


続いて小美玉の会長さんが森林対決を提案

もうまもなく日が暮れますので


こちらも引き分けになる可能性大


小美玉軍は勝ちに来たのに引き分けではシャレにならんと
無理やり延長戦に突入したい様子


何しろ当代きっての虫採りの天才と呼ばれている青年を引き連れてきてる訳ですから
実力からして私を叩きのめしたいのでしょう


ところがどっこい私も虫採り以前に天才

天候まで操って引き分け狙いしている訳ですから

北風はぴゅーぴゅーどこまでも吹いて行きます。

お天気の神様はいつだって私の味方


なら断る理由もないですし


場所を変えて森林対決


里山で虫を探します


私はとにかく寒いので
できるだけ動かず材起こしもせず

時間が過ぎるのをひたすら待つ


やがて試合終了のホイッスル


いくらなんでもこの寒さじゃ無理だろと思っていましたが

小美玉青年がホソミオツネンイトトンボを見つけたと言いだしまして


万策尽きそうな気配が漂い始めました

でも私には最終兵器があるのです。


みんなでホソミオツネンを見に行くと

青年が指差す先には木の枝が一本


どこにホソミオツネンがいるの?と聞くと

ここですと更に指をさす


その指の先にあったものは



木の枝




木の枝を見ながら小美玉会長は青年を天才だと褒め称え

博物館の先生も感動している様子


でも。木の枝。

なんでこの人たちは木の枝を見て大騒ぎしているのだろうと不思議に思いながら結果発表


小美玉軍 木の枝
私 何も見つけられず


木の枝だったら見つけてないも一緒じゃないかと思いまして


この勝負引き分け


そんな訳で当初の予定通り、古河と小美玉の対決は引き分けとなりまして

無事にコガコンの存続が決定


会長として最初の大仕事を終えました


古河VS小美玉 昆虫対決_c0200575_19434667.jpg




わざわざ県西に遠征し私に勝負を挑むも引き分けで終わってしまい
肩を落として去っていく小美玉軍を見送りながら


これから次々コガコンに襲い来る茨城の刺客達を倒していかねばならないと

思いつきで降って湧いた宿命に決意新たに今から栃木の温泉に向かいます。




そしてこのブログはフィクションです。
小美玉の人たちは良い人たちでした。

またどこかでお会いしましたら宜しくお願いしますと、
普通のブログのようなコメントで締めくくらせて頂きます。
# by JAPANFOREST | 2013-02-16 19:35 | 雑記

小柳の里山

古河の里山を歩いて見た


数年前は荒れ果てた森だった

森の中を縦横に走る小道をいくと
ポツポツと僕の好きなクヌギがあって

でもある晩

カブトムシ採りのオジサンにここは俺の縄張りだと言われ

悲しくなってそこに近寄ることもなくなった


それでも少し志を持った人たちが居て

由来となる根拠はわからないんだけど


ここに里山ができていた

里山風の森が出来ていた


里山を守る会が古河に出来たのは知っていたし

少し様子を見てみようと思っていたけど

結局やっぱり里山風の森が出来ていただけだった


でもやはり助成金を受けて一気に森を作ると早い


ここからどのように変わって行くのか
このまま里山のイミテーションを作り続けるのか

もうしばらく観察してみよう


ここを本物に変えていくことができるのかしら

歴史を勉強して本物の里山を作りだす事ができるのかしら

茨城各地の里山を見てきたけど


ほとんど全てイミテーションだった
五郎助山が唯一里山に近い状態だったけど

あそこも森を作っているだけだ

結城とか坂東とか終わってる
森がもぬけの殻だ


地元の名士の売名行為に森が利用されているだけだった



森を作るのではなく

森を利用すること


そこに気がつくまでに後どれだけの時間が必要なのかな

最後まで気付かないままなのかな


どこの里山団体も同じだけど

話してみると

他の里山に視察に出掛けて
勉強をしているという


本当に目指すべきところを見つけなよ


里山を作る団体は称賛されて

お金をばらまけば徳が上がると思っている宗教的な法人からの助成金がもらえて
誉められて称えられて

やがて行政から表彰されて


先祖代々の森を
ただ親がそうしていたように草刈りをする

なんの助成金も出ず

それでも意味もわからず自分の土地を整備している人達がいる

でも称賛なんかされないし
表彰されることもない


やってる事は同じなのに

違いはなんなのだろう?


正しい事をしている人達は

なんの見返りもなく
誰かに称賛されることもなく

人知れず消えていって
森も消えていく



今見ているものを見ないで

目をつむって

その森の本当の歴史を見る事ができれば

きっと里山は変わる


森の真ん中で僕はふっとため息をついたら

森の隅っこで落ち葉を集めている老人がいた


老人は本当の里山を知っていた
僕も知っている


何故知らない人たちが里山を作り
なにも知らない林業団体が指導に乗り出し

自己満足を得るだけの偽物を作り続けるのだろう?

視察は里山団体同士で行ってないで


里山にいきなよ

本当の歴史を知っているところにいきなよ

もう日本になんてないよ。きっと。


僕は遠い遠い海の向こうで気がついた。


僕はイミテーション作りに力を貸すつもりはないし

いちいち本当の事をネットに書く気もない

また偽物を生み出すだけだ


でも

いつかここが本当の里山になったら


少しだけファウナしてみてもいいかな





小柳の里山_c0200575_13158100.jpg

# by JAPANFOREST | 2013-02-04 00:50 | 雑記